時を遡るプレゼント
31歳の自分に何をプレゼントしたいだろうと考えたら、
やっぱり「書くこと」だった。
数ヶ月前。
たまたま通りかかってお気に入りになったお店。
そこで目に留まった日記帳。
数ヶ月後、誕生日の日。
忘れられずに同じお店に戻ってきた。
戻ってくるきっかけとなった出来事はその数時間前。
仕事の移動途中のカフェでお気に入りのノートを開くと、
ちょうど1年前、同じ時期に手書きで書いた記録メモが残っていた。
1年後の自分へ
今日のこのドキドキソワソワを忘れずに
今と同じくらい、ありがとうを伝えようね
1年前の自分が書いた、今の自分に向けた言葉に涙が出た。
その日の出来事を興奮気味に彼に話すと、
その日記帳、僕が買ってあげようかと
仕事終わりに一緒に買いに行くことになり、
プレゼントしてくれた。
3年連用日記。31歳の誕生日からスタート。
1年後、2年後の私は、今日をどんな気持ちで振り返るんだろう。
飽き性の私が、果たして3年続くのかがまず問題。
偶然見つけたお気に入りのお店のコンセプト。
そこに綴られた言葉。そのひとつひとつに共感しかない。
しあわせのヒントの在処
大切な人のことを思い浮かべながら、ゆっくりと丁寧に書く手紙は、とても小さくて薄くて軽いのに、受け取った人を幸せな気持ちにさせる特別なプレゼントです。きっと、それを書いた自分の気持ちも少し明るくなっているはず。また、その日の出来事や感情を書き残す日記は、時間が経って読み返してみると驚くほど発見に満ちあふれています。モノではない何か、とても大切でかけがえのない何かがそこに詰まっているようです。
日々を豊かに暮らすこと。あなたの「好き」を見つけること。それはもしかしたら、忙しい毎日にブレーキを踏んで、自分の手で何かを書いてみることからスタートするのかもしれません。そう、効率とは無縁な行為の中にこそ、本当のしあわせを発見するヒントがあるのだと思います。
今の時代から逆行している、紙の日記帳。
時代遅れで非効率的な、手書きの日記帳に記された言葉から、
未来の私は、大切な何かを見つけるのかもしれない。